マーケティングに求められる4つの力
2009年7月24日
山本直人氏の新著『「買う気」の法則』(アスキー新書)でマーケティングに求められる4つの力について掘り下げています。
多数派形成力
「いまはこれが一番のトレンドだ」といえる、リアルタイムでのナンバーワンを設計する力。世の中のトレンドを敏感にキャッチして、マスに支持される具体的なサービスやクリエイティブに落とし込む。旧来的なマーケティングの手法である。
未来提示力
先の見えない長引く不況により今はモノを買う際に、臆病にならざるをえない時代。たとえば、新車を買えるほどの予算があったとしても、あえて中古車を選ぶ人が多いという話がある。消費者のマインドが萎縮しているわけなので、財布の紐を緩めてもらうには、この「未来提示」のスキルが欠かせない。
関係構築力
ユーザーフィードバックやCGMから本音を探っていく。より定性的に踏み込んで見て、ステークホルダーとの関係を深めていくこと。書店やレコードショップなどにある店員手作りのポップも各当する。
インサイト発見力
言葉遊びを巧妙にマーケティングに使った結果、新たなニーズを生み出すような能力。受験生にフォーカスしたキットカットの成功例や、エコロジーにフォーカスしたいろはすなどが各当する。
マーケティングミックスの重要性
関係構築力やインサイト発見力は若いマーケッターが得意であり、多数派形成力や未来掲示力はオールドタイプのマーケッターが得意とする傾向がある。どちらが優れているというわけではなく、バランスよくミックスすることで幅広いマーケティングに関わることができ、かつリスクヘッジにもつながるのではないだろうかと書かれている。
長引く不況で物が売れない時代、WEBにおいてもこのように体現的なマーケティング要素を意識して取り組んでいかなければと考えさせられます。
「買う気」の法則 広告崩壊時代のマーケティング戦略 (アスキー新書)
山本 直人 アスキー・メディアワークス