ウェブユーザビリティの法則 改訂第2版
2008年1月4日
ユーザビリティ関連の書籍『ウェブユーザビリティの法則』の改訂第2版を読んだのでレビューを残したいと思います。この書籍結構お勧めですよ。
本書は海外の書籍の日本語訳にあたります。著者は海外ではユーザビリティの専門家として有名なスティーブクルーグという方です。僕的にこの本はユーザビリティ関連の書籍の中で結構お勧めしたいと思います。というのも本書ではどちらかというとあまり具体的なユーザビリティ、アクセシビリティについての内容だけではなく、なぜユーザビリティ、アクセシビリティを考えなければならないか、実施しなければならないかといった取り掛かる以前についてを言及している点にあるといえます。それでは本書で印象に残った項目をご紹介したいと思います。
ユーザーの求めていない文章は極力削ろう
例えば、TOPイメージのキャッチコピーにおいて、「当社では信頼と実績の○○○~」といった自社の使命や役割といった表現は誰も読まないという論、ロゴに含めるタグラインは分かりやすく明快で必要な文章でまとめる。各ページで必要以上な解説や説明、または見出しの下あたりにそのページを説明するようなだらだらとした文章は根こそぎ排除して、見出しの文章、レイアウト、画像で内容が伝わる努力をしなければならない。このようにページの余白を埋めるためのだらだらとした文章は「誰も読まない」という事を認識しよう。
WEBサイトと実店舗との共通点
その他、勉強になった点は、WEBサイトと実際の店舗でのユーザーの動きは非常に似ているということ。本屋とかに例えるとわかりやすいんですが、探し物をするときにカテゴリーから探すのか、検索(コンピューターで書籍を検索する、店員に聞く)するかというのはかなり共通した行動だという事。そしてWEBサイトと実際の店舗の大きな違いはというと方向感覚や位置感覚がウェブサイトでは実感できないという部分。これらをパンくずリストといったナビゲーションやマークアップの表現によって補わなければいけないという事です。
宗教論争にも似た制作者同士の論議は時間の無駄である
個人的に印象に残ったのは、よくある制作者同士論議、例えばFLASHを導入することは良いか悪いか、ナビゲーションにプルダウンを利用するのは良いか悪いかといった宗教闘争にも似た無駄な論議はユーザーテストによって解決しようとという部分。僕も個人的にこういったバックグランドの違う者同士の論議というのは好きじゃないんですよね。良いか悪いかなんてやってみなければわからない問題ですし、好き嫌いといった個人の主観がどうしても邪魔しちゃうからなんですよね。だからジャッジはユーザーテストに託そうよっていうのは非常に共感できました。
多くのWEBサイトで障害者を考慮した設計がなぜできていないのか
WEB制作者の多くは健全な若者ばかりで、ハンディキャップというものを実感できておらず、WEBをとりまくインフラやテクノロジーもまだそれらに対応できる準備ができていないのが現状である。そのためにWEB制作者はアクセシビリティーに対する意識が低いのかもしれない。アクセシビリティを実践する第一歩はそういった意識を高く持つことである。ナビゲーションの前にスキップを入れるという簡単なことでも多く障害者が不自由なくスクリーンリーダーでWEBサイトを利用できるという事を意識しよう。